都営新宿線小川町駅A3出口徒歩1分にある、「trattoria Little Marco」は、立地的に企業勤めの方々の来店が多いお店です。カジュアルなイタリアン業態に、旬の野菜を取り込みながらメニューを開発している、料理長の初芝聡一さんに3品ご紹介いただき、お話しを伺いました。
まずは、なかなか耳慣れない、プンタレッラという野菜を取り入れた「プンタレッラと日向夏のサラダ」から説明いただけますか。
「プンタレッラはイタリア、特にローマ地方で親しまれている冬野菜で、チコリー(アンディーブ)やトレビスなどと同じキク科キクニガナ属で、シャキシャキ食感と少しの苦みが特徴です。そして、日向夏は、宮崎県が原産の柑橘で、まさに今が旬の果実です。さっぱりと味わっていただくために、特製の塩とオリーブオイルで仕上げています。日向夏の旬は2~3月と短く、この時期ならではの季節メニューです」と初芝さん。
爽やかなサラダはイタリアの白ワインとの相性がよさそうです。続いて、「生ハムとルッコラ(ピッツァ パルマ)」についてのこだわりを教えてください。
「はい、近年はイタリア産の生ハムが豚コレラのせいで輸入制限がかかり、気軽に手に入らなくなってしまいました。コスト面において、できるだけお客様へのご迷惑にならないよう、スペイン産の生ハムなどを使って対応しています。ルッコラについては、フレッシュなものをたっぷり使用することで野菜の存在も活かせていると思います。発酵生地を店内で成形し、焼き上げるため生地のもちもち食感が人気の秘訣でしょうか」
ほかにも、チーズ、オリーブオイルなど、価格高騰しているものについては、アンテナを張っている初芝さん。「肉なども産地や、部位など常に試作をして味のチェックをしています」とのこと。
最後に「6種の野菜の自家製ピクルス」ですが、こちらにもロマネスコ、別名ローマのブロッコリーという野菜も使われていますね。
「そうですね、ロマネスコも地中海沿岸が原産のイタリア野菜ですね。このピクルスも季節の野菜によって漬け込むものは変わっていきます」
さて、初芝さんの料理人生についてもお伺いしてもいいでしょうか。
「はい、はじめにこの会社に入ったのは、新卒の20歳ですね。その後7、8年別業態に勤務し、一度他社へ転職しました。その後、2017年にまたご縁があり、出戻ってまいりました。そのタイミングから、イタリアン業態ですね。他社経験も含め、ずっと飲食業界です」
飲食業界の魅力ってどんなところですか。
「やっぱり、忙しいときに中と連携してやり遂げるところですかね、一番楽しいときというのは。特にこのお店は、小~中規模のパーティー需要が多いので、いかにタイミングよく料理をテーブルに出せるかというのは大事になってきます」
(メニュー紹介)店長おすすめディナーコース 2800円
・前菜3種盛り合わせ(生ハム・サーモンカルパッチョ・ブルスケッタ)
・アサリとキャベツのアクアパッツァ風
・スパゲッティ・ポモドーロ
・牛ほほ肉の柔らか赤ワイン煮
・パルミジャーノ・リゾット
「もちろん、アラカルトのお客様も歓迎しています。ただ、ご予約をしていただいた方がお席の確保は確実です」と初芝さん。
月に一度、季節のメニューが変わるとのことなので、旬×イタリアンを楽しみに足を運んでいただきたいお店です。