記念すべき第1回は、2016年5月9日にオープンした、大手町のワインビストロ ボンクラをご紹介いたします。
扉を開けた瞬間から、アットホームな空間に引き込まれ、大手町にいる感覚が一瞬で消え去るほど。
世界各国から厳選されたワインと、食材の魅力を存分に引き出したお料理が人気のお店です。
今回お話を伺ったのが、こちらのビストロの厨房の料理長を務める、田中慎一料理長。
最近一番感動したのが、道の駅で購入した朝摘みのキュウリのおいしさだったそうです。
まずは、この夏のメニュー「夏野菜のサラダ」(8月中旬~9月上旬予定)についての紹介からインタビューはスタートです。
「この彩り豊かなサラダは、南フランスの“タブレ”というクスクスを使用したサラダをイメージしています。 本来のタブレは、野菜はダイズカットが主流なのですが、今回は、オクラ、パプリカ、水なす、トマト、とうもろこしなど10数種類の夏野菜を使用し、なるべく大きめにカット、素材そのものの味わいを感じていただくことを意識しました。 そしてドレッシングは、夏らしくすっきりとした味わいを求め、シャルドネ種のワインビネガーに、オリーブオイルにクミン、フェンネル、コリアンダーなどの数種類のスパイスを合わせたものをさっと混ぜ合わせています」
仕上げには、フレッシュミントでより一層の爽やかさを演出。
みずみずしい野菜と酸の利いたドレッシングをまとったクスクスのバランスが絶妙で、サラダで白ワインを欲してしまいます。
まさにそれぞれの素材の個性を活かしつつ、料理としてまとめた究極の夏サラダがこの一皿。
「私は、日々野菜の底力に驚かされています。
フレンチでフォンドボーなどを作る際にも、旨みには玉ねぎが、香りにはセロリが必要で、野菜がなければすべての料理が成り立たないといっても過言ではないのです。
当店の想いとしては、メインのお魚やお肉を食べていただくときも野菜と一緒にというスタンスで、お肉にたっぷりと刻んだ野菜をのせたり、野菜のピューレをかけるなどして提供しています。
そんな重要な役割の野菜だからこそ、味わいはもちろん、鮮度、産地(土地)、そして生産者の方が見えるということはすべてが大切なポイントなんです。
私は、常に新しい野菜と出会いたいですし、積極的に生産者の方とコミュニケーションをとっていきたいと思います」
最後に、インタビューのお供に選ばれたレモンについても言及いただきました。
「レモンはまさに万能ですよね。ビタミンも豊富、そしてお酢代わりにもなりますし、ソースにキュッと絞るとアクセントになって、味わいも引きしまります。
キッチンでは、常にレモンを半分にカットしたものが手に届く範囲に置くようにしています」
以前、マチルダからたくさん購入した国産レモンを塩レモンにして、地下倉庫に保存しているという田中料理長。
煮込み料理にも、ニンジンサラダへのアクセントにも大活躍だとのことです。
ワインビストロ ボンクラのこの夏おすすめのメニューを伺うと、スイカの冷たいスープや、桃のコンポート&バジルアイスなど、女性が心奪われるものばかり。
キリッと冷えたスパークリングや白ワインととともに、ぜひ至福のひとときをお楽しみください。