生産者の声
マチルダ生産者

埼玉県深谷市
グリーンネクスト株式会社/代表取締役 横川琢也さん・商品開発部 髙野樹里さん

グリーンネクスト株式会社 代表取締役 横川琢也さん・商品開発部 髙野樹里さん

横川琢也さん(左から2番目)髙野樹里さん(右から2番目)

今回ご紹介するのは、埼玉県深谷市にあるグリーンネクスト株式会社。
こちらの葉物の生産方法はすこし珍しいスタイルです。そのスタイルは、一鉢ごとのポット栽培。温室の中では、様々なリーフ系野菜が一株ごとに培養土ポットで生産されているのです。どうしてこのようなアイデアが生まれたのでしょうか。
代表の横川琢也さん、商品開発部の高野樹里さんにお話しいただきました。

■異業種参入だからこその新発想 

「もともと30年近くユリを栽培する花屋だったんです。そのビジネスが近年徐々に衰退し、このままではいけないと考えを切り替えて、6年前からミニトマト栽培をスタートしました。温室はユリ栽培時代のものです。さらにユリ栽培をしていた、ポットを再利用してマイクロ野菜やレタス栽培を行うようになりました。一つずつポットが分かれていることで、病気にもなりづらいんです」と代表の横川さん。

このような栽培はどこでアイデアを得たのでしょうか。
「農家さんの当たり前という考えがないんですね。まったくの異業種からの参入のため、知識ゼロからのスタートでした。この温室とユリを育てていたポットをなんとか再利用したいという思いからですね」と商品開発部の髙野さん。

「カブや人参も小さく作ってほしい」という声を受け、育て方で小さく仕上げようという考えがポット栽培につながっているとのこと。ポットという制限があることにより、根の成長がとまりマイクロ野菜が誕生しているのです。
現在、マイクロカブだけでも10種類、レタスは8種類を栽培しています。

マイクロカブの写真
ポット栽培の様子とマイクロカブ

ポット栽培についてのメリットを伺うと
「私たちも春以降は土耕でもレタス栽培を行っていますので、双方の魅力をわかっていますけれど、温室栽培では、収穫するときの高さがいいんです。スライドする台(ベンチ)の上にポットが並んでいるため、腰をかがめることなく収穫が可能なので楽ですね。あとは、同じ広さの中で、土耕よりも収穫量が多いと思います」と髙野さん。

ポットへ移植する様子

種を植えてから発芽までは約1週間、この後ポットへ移植。

レタスの写真

種植えから収穫までは秋冬は約2か月、5月以降は45日。

■気温変動に耐えうるためのハウス栽培

髙野さんいわく「ここ、深谷の冬は寒く、夏は高温になります。その時期は、まったく外での栽培は難しいですよね。そのためにも温室でのポット栽培が有効なんです」とのこと。
埼玉県深谷市の気候を理解した上での栽培手段となっているのです。

唐辛子のポット栽培

唐辛子もポット栽培で対応(ハラペーニョ、ビキーニョ、島とうがらしなど6種)

「ときには、土付きで納品を希望されるシェフにも対応できるのがこの栽培のいいところでもありますね」と横川さん。
ほかに、完全無農薬の食用パンジーやハーブ類のポット栽培もおこなっています。

はじめての野菜栽培がミニトマトだというグリーンネクストさんの広大なミニトマトハウスは圧巻な迫力。一列に植えるトマトの苗は300ほどだといいますが、この管理を3名のスタッフで行っているというから驚きです。

ミニトマトハウス

「水や栄養の共有などがかなりシステマチックになっているので、対応可能なんです」とのこと。

マイクロトマト栽培の様子とマイクロトマトの写真

「色が付き始めると大きさが止まります。その後、じっくりとうま味を凝縮することで真っ赤な状態になるのです。糖度が十分にあがった頃を見て出荷します」と髙野さん。

さらに、マイクロトマト栽培にも着手しているため、かわいい野菜はお任せといったところ。マイクロハーブのサラダセット、マイクロ根菜の温野菜セット、エディブルフラワーに、スパイスまで。温室ポット栽培の可能性は無限大に感じました。
農家出身でないがゆえの発想が、新しいビジネスを生み出したのは間違いありません。

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