生産者の声
マチルダ生産者

オーガニック専門店「いすみや」/手塚幸夫さん

オーガニック専門店「いすみや」/手塚幸夫さん

今回は千葉県いすみ市の「房総野生生物研究所」代表で、「NPO法人いすみライフスタイル研究所」理事の手塚幸夫さんにお話を伺いました。手塚さんは、日本初・学校給食の全量有機米化を達成した経緯をすべて見守ってきた人物です。2020年には、農薬・添加物などを使用していない食材を扱う「いすみや」を開店。自然豊かないすみ市の農業生産者が、すこしでも有機農法に転換してもらえるよう発信をし続けています。

NPO法人いすみライフスタイル研究所 畑の様子

■5年連続、住みたい田舎NO1

温暖な気候で、里山という言葉がぴったりの千葉県いすみ市。注目されたのは、学校給食を有機米にしたことがきっかけでした。この活気的な動きには、行政の方々の努力が大きかったと言われています。
「まさしくそうですね。いすみ市は昔から米の産地でしたが、産地であるがゆえになかなか有機栽培へ足を踏み入れる従事者はいませんでした。個人ベースでの栽培はあっても、市場流通への米を有機栽培するとのはなかなか簡単ではありません。2013年に市をあげて、転換していきましょう!という音頭をとったというのは画期的だと言っても過言ではありません。もちろん最初の年は失敗に終わりますが、翌年から良い指導者を得て成功する農家が出てきます。そして、ついに2015年に学校給食に有機米を導入する仕組み(有機米の買取)が整い、生産者のリスク軽減もできたことで、手間のかかる有機農法への賛同者が増え始めたのです」

いすみ市のブランド米「いすみっこ®️」は今では、JALのファーストクラスに採用されるなど、話題には事欠かない様子ですが。
「学校給食米として有名になりましたが、知名度はまだまだです。もちろん「いすみや」でも販売していますが、生産者のことを思うと、この先の販路を開拓していく必要があります。ブランドとしていすみ市の有機米をもっともっと広めていきたいんです。流通の世界で名前が知れていくことで、他の生産者も、有機栽培への参入へ関心をもってくれると思うんです」

左:キウイの写真 右:手塚幸夫さん

■自然にも人にも優しい環境を

有機農法を推進する活動するにあたり、手塚さんが思うこととは。
「私は、すべてが自然に優しいところがいいと思うんですね。農薬は生産物を守るために、害虫と呼ばれるものを殺すのですが、合わせて関係ない生物にも影響がでてしまうのがネックです。私たちを取り囲む自然環境全体に影響が出てしまうので。さらに、特にこれからを担う子供たちの口に入るものは、なるべく農薬がかかっていないものがいいと思っています」

マチルダでご紹介した生産者の声