生産者の声
マチルダ生産者

山梨県北杜市
小池ベビーリーフ菜園株式会社/代表取締役 田中裕人さん

小池ベビーリーフ菜園株式会社 代表取締役 田中裕人さん

山梨県北杜市小池地区にカゴメ株式会社(社長:山口聡、本社:愛知県名古屋市)の農事業として開設された「小池ベビーリーフ菜園」。北杜市は山梨県の北西部に位置し八ヶ岳連峰、南アルプス、瑞牆山(みずがきやま)、富士山と日本を代表する山岳景観に恵まれ、 日照率は日本一の場所です。現在独立法人として、小池ベビーリーフ菜園株式会社の代表を務める田中裕人さんにお話しを伺いました。「小池ベビーリーフ菜園」で栽培したベビーリーフは、パックサラダを製造する横浜市場センター株式会社(所在地:神奈川県横浜市)で丁寧に水洗いし乾燥し、流通市場へ。袋から取り出して洗わずにそのまま使えるため、時間をかけずに食卓へ提供できることが強みです。

■お茶を刈り取る機械をヒントにカスタマイズ

「ちょうど今の時間、ベビーリーフの収穫をしていますのでまずは見ていただきましょう」と早速ハウスへ。土耕のベビーリーフの収穫は、スタッフが機械を使用し、ものすごいスピードで刈り取りが行われていました。
「この収穫用の機械なんですが、お茶を刈り取る機械をメーカー側にカスタマイズしていただいたんです。なんとなくイメージ湧きますよね? 茶摘みの。作業は必ず二人一組で行います。この機器を使用することで、1~2分で10㎏の収穫が可能なんです。手作業ですと、もちろん収穫に時間もかかりますし、どうしても体温によって葉が傷むので、なるべく触らないようにしています。
収穫も気温が上がる前に行います。夏場ですと6時から、冬場は葉が凍っていることもあるので、陽がのぼったあとの午前中ですね。葉っぱが一番元気なタイミングで収穫をするようにしています。大体1棟280~350㎏の収穫を2日間で行います。収穫後はすぐに5℃の保冷車に入れ保管し、近くの選別場所まで運ぶ仕組みを作り上げ、コールドチェーンを切らさないようにしています」と田中さん。

この山梨のエリアはとても気候がよいことで知られています。
「そうなんです。日照時間が日本一なので、まったく加温することなく栽培をしています。台風被害もほとんどありませんね。雪は年に1~2回10センチ程度積るくらいでしょうか」

ベビーリーフ栽培方針について伺うと
「私たちは、農業経験者ゼロからのスタートなんです。カゴメ株式会社のベビーリーフ事業として立ち上がり、現地採用2名のうちの1名が私でした。そのため、所謂『農業での普通』という概念にとらわれずに、やってきました。他を知らないんです(笑)」

働いているスタッフが若い方が多いのも印象的です。
「地元の人材が応募してくれることもありがたいです。夏季は早朝より作業をするために、昼過ぎには定時を迎えます。その期間は体力温存の為に残業も禁止しているので、結構自分の時間を確保できるんですよ。就農条件としては良いと思います」

小池ベビーリーフ菜園株式会社 働いているスタッフの様子
小池ベビーリーフ菜園株式会社 小池ベビーリーフ菜園のハウス

■管理ハウスは189棟、1ハウスの長さは70メートル

現在管理しているハウスの棟数を伺うとなんと、2か所のエリアで計189棟。1棟の長さは平均70メートルという迫力です。
「基本的には、1ハウス、1品種の栽培で通常の土耕と同じく小松菜→ほうれんそう→水菜といったように変更していきます。現状の扱いは小松菜、水菜、ケール、ほうれんそう、レッドオーク、など、年間を通して6~7品目です。ベビーリーフは、種をまく時と収穫のタイミングが大変ではありますが、成長期はあまり手がかかりません。水分は、ホースから霧状の水で補いますし。栽培スタッフは6名で対応しています」

ベビーリーフがあまりにも綺麗に整っているハウスに驚きます。
「そうですね。この整列ですが、種まきの際にまっすぐに蒔くことが重要なんです。列が曲がってしまうと、葉が重なってしまい、病気になりやすいので。収穫までは、夏場は2週間、冬場は2か月。その後2~3週間で土壌改良をしてサイクルを回しています。万が一、病気になってもすぐにリスタートできるのが、ベビーリーフ栽培のいいところとも言えますね」

小池ベビーリーフ菜園株式会社 種まきをする様子
小池ベビーリーフ菜園株式会社 野菜の選別を行う様子

■すべてにおいての循環がスムーズ

収穫後には、単一品目ごとに選別を行い、その後出荷されていきます。
「まず、クズものや異物を揺れによって振るい落します。その後目視にて選別を行うのですが、良いものが痛まないよう、よくない品質のもののみを触るようにしていますね。振るいにかけられた後の野菜たちは、土に戻し肥料にしたり、ヤギのエサとして活用するなど無駄になることなくスムーズに循環しています」

小池ベビーリーフ菜園株式会社 小池ベビーリーフ菜園のハウスの並び

標高700mの冷涼な気候、日本一の日照時間、風雪被害が少ない事などの恵まれた自然環境の中で育まれる「小池ベビーリーフ菜園」のベビーリーフたち。
スタッフの方々の丁寧な作業風景をみて、品質の良さがさらに実感できました。

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